- 2010.10.29
- 『世界の人事部』Vol.18【アメリカ・中国企業における、中堅スタッフの育成&キャリア支援】
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.18 2010.10.29】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
今年も10月に入り、2012年4月入社の新卒採用が、大手就職サイトの
オープンを皮切りに本格的にスタートしました。国内の景況については、
幾分持ち直しつつあるものの、最近の海外情勢を考えると、景気が再び
下降に転じることも考えられることから、今年も学生の就職環境は厳し
いようです。
こうした近年の就職環境の厳しさを受け、一部で「大学卒業後3年以内は
新卒扱いに」という提言が出ています。しかし、新卒扱いとする期間に
幅を持たせても、採用方針は企業が決定するという点や、あくまでも
「新卒」という肩書きが前提となる定期採用であれば、大きな改善は見
込みづらいのではという意見も出ています。産学連携が必要な課題であ
るため実現にも時間を要するとは思いますが、こうした就職環境改善に
対する動きには、今後も注目していきたいと思います。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第18回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>上海クイックマイツ有限公司が、
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詳しくはこちら⇒http://www.919myts.com.cn/ssr2011/zendo
◇<中国>2010中国給与白書によると、
本年の本科生の平均初任給は2,116元/月
◇<日本>株式会社アイ・キューが、11/2(火)に
第5回「HRカンファレンス by 日本の人事部」を開催
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第18回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第18回テーマ】
「現地人事コンサルタントに聞く
アメリカ・中国企業における、中堅スタッフの育成&キャリア支援」
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◇編集部◇
今回のテーマは、アメリカ、中国の現地企業や現地日系企業における、
管理職やマネージャークラスなどの中堅クラスのスタッフに対する
人材育成やキャリア支援です。
本社経営層と現地スタッフ層とのパイプ役とも言える中堅クラスの
スタッフのスキルアップは職場の組織力、ひいては業績向上に大きな
影響を与えると思います。
そこで、実際にアメリカや中国の現地企業、あるいは現地日系企業では、
こうした中堅クラスの人材の育成やキャリア支援について、どのような
考え方、対応が一般的なのかをお教え下さい。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
そもそもアメリカの企業ではスタッフの入退職が激しいというバック
ボーンから、会社側が人材育成に投資するのは無駄、或いはキャリア
支援に投資することはないと考える方が多いのではないでしょうか。
しかし、現実は全く正反対です。会社は中堅クラスだけでなく一般
スタッフの育成やキャリアアップも支援することで、特に優秀な人材の
社外流出を防ごうと努力しています。中でも余裕のある企業、いわゆる
大企業で、こうした取り組みは数多く見られます。
◇編集部◇
具体的には人材育成やキャリア支援の中身には、どのようなものがある
のですか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
アメリカ社会におけるキャリアアップのプロセスについての考え方とし
ては、日本のような「OJTを通して」ではなく、「トレーニングを受けて」
レベルアップしていくという考え方が一般的です。
中でも、こうしたスタッフの育成、キャリアアップに向けたトレーニン
グシステムについては金融業界やIT業界がしっかりしているようです。
また、これらの業界は海外研修のプログラムについても充実している
とも聞きます。
また、トレーニングの内容面についてはセミナーベースの比較的軽い
ものから、大学や大学院に通うという本格的なものまでと幅広く、その
ための時間や費用の一部、或いは全額を会社が負担するという形になっ
ています。さらに日本と比べて、いくつになっても大学や大学院で学ぶ
ことに違和感がないという、アメリカ社会ならではの風土や環境も大き
く影響していると思いますよ。
◇編集部◇
キャリアアップに前向きなスタッフにとっては、とてもありがたい
サポートですね。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
キャリアアップ支援制度の充実については、企業側としても良い人材を
集めるため、さらには長く活躍してもらうための「福利厚生」の一環と
いう考え方が定着していると言っても良いと思います。また、こうした
キャリア支援にかかる授業料、教科書、教材費などの経費について、
2009年度は1名当たり$5,250まで会計上経費として認められるなど、
企業側にとってもメリットはあるようです。
ただし、経費として認められる要件として、トレーニングの内容が
「業務に関連した内容」であることや、「法で定められた内容で、今の
職務上必要」であること、さらにスタッフに「差別なく、平等にベネフ
ィットを受ける権利を与える」という要件を満たす必要があります。
◇編集部◇
一方、中国における中堅クラスの人材に対するキャリア支援については、
どのような考え方が一般的なのでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
基本的にはアメリカと同じく、会社側が人材育成、キャリア支援に対す
る費用を投資するケースが多いと思います。大きな理由として考えられ
るのは、中国が経済成長を続けていることで、これに伴い様々な物価も
上昇しているということです。物価が上がる一方で、所得が「現状維持」
では生活は行き詰ってしまいます。こうした背景から、「現状維持でOK」
と考えるスタッフはほとんどいません。むしろ、会社側がキャリア形成
に対する機会を提供しなければ、上昇志向の強い、優秀なスタッフほど
会社に見切りを付けて早期退職に走ってしまいかねません。
ただ、ワーカー層に対するキャリア支援については、その機会を与える
のか、それとも期間満了に伴い入れ替えを行うのかなどについての判断
は、各企業の考え方によって異なります。同じ会社内でも「格差社会」
が存在するという一例と言えるかもしれません。
◇編集部◇
企業側の支援の形や内容としては、具体的にどのようなケースが多いの
でしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
よく耳にするのは、会社費用でEMBA(Executive MBA)に参加させる、
各種資格取得費用を会社側が負担するというものでしょうか。また、
「合格すれば会社が費用負担する」というルールは、よりポピュラーか
もしれません。
とはいえ、一部大手企業を除けば、現地日系企業においては日本人の
管理者自身が「外部研修」を受講した経験が少ないことも影響して、
いまだに「OJTで十分」という認識が根付いている印象があります。
確かに、OJTは「見て覚える」という側面が強いことから、管理者サイ
ドとしては手間も費用もかからない方法として重宝したい気持ちが
あることも分からないではありません。しかし、この方法は以前の
日本のように「終身雇用(長期雇用)」が前提条件だと思います。
中国のように「有期雇用(短期雇用)」が前提の社会では、うまく
機能しないケースが多いのではないかと思います。
◇編集部◇
では、現地スタッフの、こうした支援制度に対する受け止め方はどの
ようなものでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
仮に会社に「費用負担の制度」があっても、それを利用することなく、
独学や自費で夜間学校に通っているケースも少なくないと思います。
それだけ現地スタッフは向学心が旺盛ということです。
実際、中国では昔から各種研修、塾、夜間学校などのサービスも数多
くあり、競合ひしめく業界になっています。
これは「学歴」をはじめとして、様々な場面で「肩書き」が求められ
てきた中国ならではの歴史的な背景が大きく影響しているものと思い
ます。「学歴」・「資格」がなければ、いつ会社から見切りを付けら
れるか分からないという、ある種、強迫観念にも似た意識が彼ら現地
スタッフの「学びたい」、「成長したい」という気持ちにつながって
いるのではないでしょうか。現地で事業を進める上では、こうした
現地スタッフのやる気に会社側が対応しなければ、優秀なスタッフは
すぐに他の会社に移ってしまうというリスクを忘れてはならないと思
います。
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