- 2011.01.31
- 『世界の人事部』Vol.21【中国・アメリカ企業のコンプライアンス対応とは?】
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― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.21 2011.1.31】
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発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
2011年も、どうぞよろしくお願い致します。
厚生労働省と文部科学省が行った今春大学卒業予定者の就職内定状況の
調査によると、12月1日時点の内定率が68.8%と、過去最低を更新したと
のこと。一方、日本経団連は新卒採用に関する「倫理憲章」の見直しに
より、2013年卒業予定者の新卒採用に関する広報活動のスタートを、
学部3年・修士1年次の12月1日とすることを発表。選考活動自体は、現在
と同じく学士4年・修士2年次の4月スタートとは言うものの、実際に就職
活動に臨む学生にとっては就職活動期間が実質2ヶ月縮まった上に、学校
によっては試験期間と重なるケースもあるため、今以上にプレッシャーを
感じないかと心配です。しかし、就職活動期間が長期化すれば、精神的・
肉体的な疲労や金銭的な負担も大きいでしょうから難しい問題です。
また、こうした大学卒業者の就職難の問題は、お隣中国でも同様のようで
す。いずれにしても、これからの時代を担う若い世代が、しっかりと社会
人としてのスタートを切れる環境を創っていくことも、私たちの大切な役
目ではないでしょうか。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第21回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
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【1】 今月の人事労務ニュース
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中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国> 中国労働咨詢網によると、
2月より江蘇省最低賃金基準が1,140元に
◇<中国> 広州日報網絡版によると、
3月より広州市の最低賃金基準が1,300元に
◇<日本> 株式会社アイ・キューが、2011年2月16日(水)に
第6回「HRカンファレンス by 日本の人事部」を開催
HRカンファレンス専用サイト
http://jinjibu.jp/hrc06/
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
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【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第21回】『世界の人事の現場から』
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人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
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【第21回テーマ】
「現地人事コンサルタントに聞く
中国・アメリカ企業のコンプライアンス対応とは?」
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◇編集部◇
インターネットの普及を背景に、国民皆総情報発信者となれる現代ほど、
企業におけるコンプライアンス対応が求められる時代はないかもしれま
せん。万が一、違法行為や不祥事隠しが発覚すれば企業の信用やブラン
ド失墜、場合によっては企業の存亡にもつながりかねません。
このような時代の中で、中国やアメリカの各企業におけるコンプライア
ンスに対する意識や対応は、どのようになっているのでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
中国においてコンプライアンスへの意識が高いのは、日本企業も含めた、
いわゆる外資系企業です。一方、国内企業においては経済同様、法整備
もその発展途上にあると考えていただくのが良いと思います。
例えば、中国もアメリカと同様に連邦制であるようなイメージで考えて
みると一番分かりやすいかもしれません。アメリカで州ごとに異なる法
律があるように、中国も広大な国土を持っていますので、日本のように
「全国どこでも同じ法律」にはなり得ません。
また、中国語も日本語と同様に、英語などの「事実をピンポイントで指
し示す」ことが困難な言語です。よって、法律表現の解釈が複数存在す
るなどの事態にもなりやすい文化的背景があることも理解しておく必要
があります。
こうした背景があるにも関わらず、日系企業は「法律の曖昧な部分につ
いても正しい解釈を求める」ことをしてしまいがちですが、この発想で
は中国の現実に対処し切れなくなってしまいます。私自身も実際に、
そのようなケースを数多く見てきました。
◇編集部◇
とはいえ、法律に絡む部分で曖昧な点が残ったままでは、日本の本社に
指示を仰ぐ際や、業務に関するノウハウを積み上げていく上でも支障が
出ると思うのですが。
◆人事コンサルタント(中国)◆
むしろ、そのご質問の発想自体が日本的なのです。法律に書かれていな
いものは「分からない」「決まっていない」が最も正しい答えです。
この現実を受け入れることが必要です。
では、実務上ではどのように対処するのか?が問題になります。一言で
言えば「合理性で対処する」となってしまいます。労働問題における
「労働仲裁」などでは特にその傾向が強く出ています。中国は日本のよ
うに「判例主義」ではありません。客観的証拠と法律根拠、そして合理
的か否か、という観点から案件ごとに裁決・判決が出るというイメージ
が最も近いかもしれません。
この方法は、「厳密ではない」という精度のデメリットはありますが、
「結論までのスピードが圧倒的に早い」という最大のメリットがあります。
◇編集部◇
日系企業の中ではコンプライアンス意識の高さから、正解を探すために
時間をかけ、結果的に正解が見つからないため行動にも踏み出せないと
いうジレンマを抱えている企業も多いのでしょうね。
◆人事コンサルタント(中国)◆
環境や状況によって、ある程度柔軟な対応ができないことは「意思決定
の遅さ」に直結し、これは特に発展途上国や新興国と呼ばれる市場にお
いては致命傷となるでしょう。現在、世界中の競合企業がひしめく中国
では、「意思決定の遅い会社」は「存続」さえ危ういと言えるかもしれ
ません。「存続」できなければ、企業は「コンプライアンス」などの社
会的責任を全うすることはできません。コンプライアンスを無視しろと
いうことではなく、外国で事業をするには、日本の「当たり前」に支配
されている日本人だけで判断するには限界があるということではないで
しょうか。
◇編集部◇
一方、アメリカにおける企業のコンプライアンスに対する意識や対応は
どのようなものでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
ご存知の通り、アメリカは訴訟の国です。何か問題が起これば、すぐに
消費者や取引先、社員、株主などから訴えられる可能性がある上、一旦
訴訟となれば莫大な損害賠償や弁護士費用が発生します。しかも、コン
プライアンス違反に関する情報の発信元が仮に社員からの内部告発で
あったとしても、当の本人は法律によって守られるため解雇や不当待遇
に遭うことはありません。そのため中国とは反対に、アメリカ企業のコ
ンプライアンスに対する意識や対応は、多くの業界で日本よりも高いと
思います。
◇編集部◇
中でも、コンプライアンスに対する意識が高い業界や業種などはあるの
でしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
金融業界、会計の分野においては数字が明確に出るという特性のほか、
2001年のエンロン事件、2002年のワールド・コム事件をきっかけに成立
したSOX法の影響もありコンプライアンス意識は高いです。また、製薬
や食品など、私たちの命に関わる分野やIT業界、製造業界などでも法令
遵守の意識は高いと思われます。
◆人事コンサルタント(中国)◆
一般論的な「業種・業界別」で考えると思い浮かびません。やはり「外
資系企業」というカテゴリーでは意識の高さある程度共通しているとは
思います。
しかし、目まぐるしく法律の改正や新法規の公布が行われていますので、
「専門家」と呼ばれる人たちの情報がアップデートされていないことも
少なくありません。もし、日系企業が当地においてもコンプライアンス
を重視されるのであれば、当地の信頼できる専門家をアドバイザーに付
けることが、日本以上に重要になるのではないでしょうか。
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【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
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(東京都港区赤坂1-9-20 第16興和ビル北館8階)
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■2/9(水) 14:00~17:00
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◇会場 株式会社クイック セミナールーム
(東京都港区赤坂1-9-20 第16興和ビル北館8階)
◇参加料 無料
◇対象 経営者、マネジメント職の方、人材育成・人材採用ご担当者
◇定員 15名
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TEL/03-5573-9191
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■2/22(火) 13:30~17:30
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