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2010.08.31
『世界の人事部』Vol.16
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       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部』
                        【Vol.16 2010.8.31】
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  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部』編集部です。

 先日、新聞で「年代別でも、大学の難易度別でも、理系出身の人の方が、
 文系出身の人よりも高収入」という記事を読みました。その理由として、
 理系出身の人の方が、職種の「選択肢」が多いため、仮に転職しても収入
 が下がりにくいのではないかというコメントが掲載されていました。
 一方で、最近では企業のグローバル化に向けた取り組みの一環として社内
 公用語を英語にしたり、昇進・昇格の条件として日本語以外の言語習得を
 義務付けたリという話をよく聞くようになりました。英語や中国語が話せ
 るという「選択肢」を持った人にとっては、活躍の可能性が広がったと言
 えるのではないでしょうか。
 確かに、専門分野に特化した技術や知識を追求することも大切です。
 しかし、これだけ社会のニーズや価値観が多様化・複雑化してきた中では、
 その人の守備範囲を表す「選択肢」の多さの重要性が、これまで以上に高
 まってきているということを改めて感じました。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
 
 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第16回】『世界の人事の現場から』

 【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

 【4】編集部オススメの商品・サービスはこちら!

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 【1】 今月の人事労務ニュース
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 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
 スを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 ◇<中国>広州市、上海市、浙江省などが企業の昇給ガイドラインを通達
 ◇<日本>『日本の人事部』を運営する株式会社アイ・キューが、
      第4回「HRカンファレンス」を開催

 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/

 アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php


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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第16回】『世界の人事の現場から』
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 人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
 一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
 さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
 その苦労は国内の比ではないと思われます。

 そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
 人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
 現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
 
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 【第16回テーマ】
  「現地人事コンサルタントに聞く
  アメリカ・中国の採用&人事課題トレンドとは?」
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 ◇編集部◇
  一昨年の世界不況から2年。まだ予断は許さないものの、景気の底打ち
  感が出始めてきていることから、日本国内でも数年来控えていた採用に
  踏み切る企業も増えてきました。また、人材サービスを提供する企業サ
  イドとしては、不況下でも安定的に求人ニーズのある医療分野への参入
  が、ここ最近は目立ちました。
  一方でこの間、アメリカや中国では、企業の採用トレンドはどのような
  動きを見せたのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  金融業界では景気回復感が色濃く出始め、欠員補充というより事業拡大
  に向けたという積極的な採用が目立ち始めてきました。また旅行や物流
  業界などは、昨年のレイオフの反動もあり求人ニーズが高まっています。
  とはいえ、そもそも旅行業界などはIT業界同様に離職率の高い業界だっ
  たりもしますから、一概にレイオフの影響だけとは言い切れません。
  とはいえ、現在のニーズの高まりは、その他の業界と比べても高い方だ
  と感じています。

 ◇編集部◇
  こうした中、企業側の求める人材像やターゲットはどのようなものでし
  ょうか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  最も顕著だなと感じるのは、職種経験3年前後の人材に対するニーズが
  高く、新卒採用の枠がグッと減少したという点です。
  主な原因としては、現在の採用は不況時に解雇したスタッフの欠員補充
  という意味合いが強く、企業としても即戦力に対するニーズが非常に高
  いという点が挙げられます。また、仮に新卒者を採用したとしても、現
  場には彼らを育成する余裕がないことや、新卒者サイドもビザが取得し
  づらくなり就職活動ができなくなったという背景もあります。

 ◇編集部◇
  一方、中国の採用に関する状況はいかがですか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国進出後、多少時間が経過している企業では人材も育ってきているケ
  ースが多いのですが、そうした人たち、さらには日本(本社)でも解決
  できない現地の課題を解決できる人材へのニーズが高まってきています。
  企業が求人によって解決したい問題に対処できる人材は、「仕事ができ
  る人材」として評価されますね。
  また、中国独特な現象としてはワーカー不足があります。ここで言うワ
  ーカーとは、単純作業に対して文句なく、低賃金で、長期間勤務する人
  材のことです。
  前者のような「できる人材」を求める企業は、「家業」から「事業」へ
  転換する上で欠かせない、成果を上げ続けるための「組織」を構築し、
  さらにその中で能力を発揮できる人材という積極的な採用ニーズです。
  一方、後者の「ワーカー」を求める企業は、仕事はあるのに、急上昇を
  続ける現地スタッフの人件費に収益が圧迫されるというスパイラルには
  まって儲かっていない企業にありがちな光景です。

 ◇編集部◇
  では最近、人事労務面で企業が抱える課題には、どのようなものが多い
  ですか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  最近よくご相談を受けるのがハンドブック、いわゆる就業規則や規程関
  連の見直しに関する案件です。これは、昨今の景気後退の際に多くの企
  業がレイオフに踏み切ったのですが、これによって会社が訴えられるケ
  ースが増えてきたという背景があります。会社側としては訴訟リスクを
  少しでも低減しなければならず、実際に当社においても、ハンドブック
  や規程関連の見直しや改訂に迫られて相談に来るというケースが多くな
  ってきています。
  また、先頃成立しました「医療保険改革法」についても、会社側は今年
  から対応しなければならず、制度整備の準備を進めるための相談が増え
  てきていますね。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  中国においては労務管理、中でも給与制度のご相談が多くなってきてい
  ます。
  大きな理由としては、日本でも大きく取り上げられた、今年5月~6月の
  「ストライキ騒動」です。さらに、この時期から中国政府が以前から進
  めてきた社会保障制度の全国統一や給与格差問題の解決に本腰を入れ始
  めたことで、サービス業や軽工業などの労働集約型の企業では、経営に
  対する危機感が大きく増加したことも、こうした相談が増えた要因だと
  思います。

 ◇編集部◇
  もはや、「中国」=「安価な人件費」という図式は成立しないというこ
  とですね。逆に、そうしたイメージで中国に進出しようとする日本企業
  は考えを改める必要がありますね。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  具体的な相談内容としては、給与格差問題の顕著な例として、入社1年
  目の新入社員の給与が入社3年目の社員を上回るといった現象がありま
  すが、こうした給与体系の歪みの解決に関する相談が最近よくあります。
  また、現地進出企業の本社(日本)側から中国の給与水準や相場に関す
  るお問い合わせも、ここ最近急増しています。恐らく、現地法人のスト
  ライキに対するリスクマネジメントの一環だと思います。
  こうした中で多くの日本企業は、「新卒一括採用」、「終身制度」、
  「年功序列型賃金制度」を前提とした、日本のモデル賃金的な給与デー
  タを求められます。しかし、「世界の人事部 vol.4」でも触れている
  ように、実際の中国市場は「有期契約による、中途採用」が中心であり、
  かつ前述のように決して年功序列の賃金体系ではないなど、雇用に関す
  る前提条件が根本的に異なります。そのため、日本のスタンダードな視
  点で中国の給与水準をリサーチしてしまうと、そのデータが活用できな
  いケースも少なくないことを、これから中国へ進出しようとしている企
  業、現地の給与水準をリサーチしようと考えられている企業の方々は留
  意しておくべきだと思います。

  さらに現在、中国政府は国内産業の方向性について「付加価値産業への
  転換」を積極的に推し進めています。こうした動きが今後さらに進み、
  人材の価値がさらに高まると考えると、「中国=安価な人件費」の時代
  に作成され、今日まで運用されてきた給与制度を抜本的に見直す時期に
  来ているものと感じます。

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