- 2010.09.30
- 『世界の人事部』Vol.17
□■□――――――――――――――――――――――――――――――
― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
『世界の人事部』
【Vol.17 2010.9.30】
――――――――――――――――――――――――――――――□■□
発信元:http://919.jp
こんにちは。『世界の人事部』編集部です。
先日、シアトルマリナーズのイチロー選手が、大リーグ記録となる10年
連続200本安打を達成しました。一方、国内でも横綱白鵬関が秋場所にて
千代の富士を超える連勝記録を打ち立てました。
二つの偉業から感じられるのは「継続」することの難しさ、そして大切さ。
イチロー選手は記録に対する周囲の雑音、白鵬関は記憶にも新しい野球賭
博事件に絡む相撲界存続の危機といった逆風を乗り越えての記録達成です。
決して全てが順風満帆とは言えない状況の中で、日々自分にできること、
すべきことを考え、チャレンジし続けることで大きな成果を生むという
サイクルは、企業経営や人材育成にも通じる部分があると思います。
「継続は力なり」の言葉の重みを、改めて感じることができました。
それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
ぜひ、最後までご覧下さい。
□■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第17回】『世界の人事の現場から』
【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!
―――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】 今月の人事労務ニュース
―――――――――――――――――――――――――――――――――
中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関するニュー
スを見出し形式でご紹介。
より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!
◇<中国>新聞晨報によると、11種の人材が上海市戸籍を申請可能に
◇<中国>京華時報によると、中秋・国慶節の残業代計算方法が明らかに
◇<日本>株式会社アイ・キューが『日本の人事部』サイトにて
第4回「HRカンファレンス」の開催レポートを公開中
この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中!
アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/
アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/
日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
【連載:第17回】『世界の人事の現場から』
―――――――――――――――――――――――――――――――――
人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
その苦労は国内の比ではないと思われます。
そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
------------------------------------------------------------------
【第17回テーマ】
「現地人事コンサルタントに聞く
アメリカ・中国企業における、女性の登用の現状とは?」
------------------------------------------------------------------
◇編集部◇
今回のテーマは、企業の人事戦略においても重要な課題の一つと言える
「女性の登用」についてお聞きしたいと思います。
今後、アメリカや中国に進出を考えている企業にとっても、現地企業と
日本企業、つまり自社との間にある、女性の登用に対する考え方や温度
差を予め把握しておくことは、現地スタッフをマネジメントする上で、
とても大切なことではないでしょうか。
こうしたことも含めまして、今回はアメリカ、中国の現地企業における、
女性の登用に関する考え方や実際の取り組みなどについてお教え下さい。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
まず、今回のテーマである「女性の登用」を考える上での一つの基準と
して、労働者に占める女性管理職の割合が挙げられるかと思います。
どの程度、女性が権限を持って、自分の能力を発揮できる環境にあるか
を知る意味では、かなり役立つ指標だと思います。
では、この女性管理職の割合について、アメリカ企業はどうかといいま
すと、ある調査では40%強という結果が出ています。ちなみに同じ調査
において、イタリア、イギリス、ドイツなどのヨーロッパ主要国の数値
は30%台です。これに対して、就業者の4割を超える女性が活躍している
日本企業における女性管理職の割合は、わずか9%程度という結果が出て
います。
◇編集部◇
この結果を見ると、女性の登用という側面においては、日米間にかなり
の温度差があることがうかがえますね。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
現地企業においては、仕事に取り組む上で「女性だから」という類の意
識は感じません。むしろ、男性、女性の意識さえしていないという感覚
かもしれません。そのため、男女間での賃金格差は「全くない」といっ
ても過言ではないですし、もちろん、前述の調査結果にもあるように、
昇進についても男女間での差はないと思います。
一例として、私の友人が奥さんの出産後に育児休暇を90日取得しました。
理由としては奥さんの方が高収入だったからということですが、男性が
育児休暇を取得することに本人はもちろん、会社側も何の疑問や抵抗も
ありません。こうしたことも日本の企業や社会とは大きく異なる部分で
すね。
また、今回のテーマからは逸れますが、性別と同様に国籍にこだわらな
いのもアメリカ企業の特徴と言えるでしょう。優秀な人材がいれば、性
別や国籍にこだわらずチャンスを与え、それに応えてくれる人材は昇進、
登用という形で企業もこれに応えるという、シンプルな考え方が現地企
業には根付いていますよ。
女性の登用に対する考え方やスタンスとしてアメリカと日本のどちらが
正しいのかは別にして、仮に現地スタッフを採用して事業を展開するの
であれば、応募してくる人材は皆、こうしたシンプルな人事評価が当た
り前と考えている方々だということを予め念頭に置いておけばいいと思
います。ただ、せっかく人材を採用するのであれば、より優秀な人材、
積極的な人材に巡り合えるよう、性別等の垣根を取り払った方が、結果
的に企業としてのメリットは大きいと思います。
◇編集部◇
とすると、既に現地に進出している日系企業では女性の登用はかなり進
んでいるのでしょうか。
◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
こちらに進出してきている日系企業だけを見れば、依然として「現地駐
在員」=「マネジャー(管理職)」=「男性」という図式が根強く残っ
ています。体感値ではありますが、約9割の企業がこのような形ではな
いでしょうか。
とはいえ、この背景には本社(日本)サイドの意向がベースにあります。
結果的に女性の管理職が少ないと感じられますが、これは決して性別の
問題というわけではなく、各社の方針や駐在員と現地採用者間に原因が
あるかと思います。
◇編集部◇
一方、中国企業における、女性の登用に関する現状はいかがでしょうか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
1人っ子政策の中国では、夫婦共働きが基本的なスタイルで、子供の面倒
は4人の祖父母が見てくれることも少なくありません。また仕事上、「男
性だから…」、「女性だから…」という前置きがつくケースも、あまり
目立たないように感じます。
そのため、中国では女性の管理職も珍しくありません。日本語を話せる
女性が多いことも影響していると思いますが、むしろ、多くの日系企業
で女性管理職が活躍しています。
こうした管理職への登用が、性別に関係なく、能力や実績に応じて積極
的に行われているため、中国においても男女間の賃金格差は確かに存在
するものの、それほど大きいものではありません。ただ、こうした賃金
格差も職種による偏りが主な要因だと思います。例えば、出張が多く、
お客様とのお酒の席が多い営業職は給与も確かに高いのですが、女性の
営業職志向が低いため、結果的に男性社員の比率が高まり、賃金格差が
生じているといった構図です。決して、男女という性別から生じるもの
ではないと考えます。
◇編集部◇
中国では、女性がより活躍できるような仕組みが各企業、或いは社会の
中で既に整備されているのですか。
◆人事コンサルタント(中国)◆
確かに、1人っ子政策を採る中国では、女性が社会で活躍しやすい環境
をつくるための仕組みがいくつかありますね。
最も分かりやすい例を挙げますと、女性にしか担うことのできない
「出産」に関しては手厚い保護政策があります。具体的には、24歳以上
で、1人っ子政策に則った出産があった場合は、だいたい4ヶ月半の間、
なんと国が給与を全額補償してくれます。また、会社側の対応も女性の
産休期間中は「出勤扱い」とすることが決められています。日本では、
未だに「産休・育児休暇は周囲に迷惑をかけるから取得しづらい」とい
う認識が根強く残っているようですが、少なくとも、そうした考え方は
中国では当てはまり難い環境となっていることは確かです。そのため、
日本から赴任してきたスタッフが、平気で「産休」を取得する現状に直
面して、戸惑うケースも少なくありません。
これらのことからも、これから中国に進出しようとお考えの企業の人事
ご担当者は、こうした現地の慣習や考え方などを理解せず、日本の常識
や通例を基準に人材マネジメントを行おうとすると、きっとマネジメン
トが上手くいかないケースが数多く生じると思いますので、予め配慮し
ておくべきだと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報
―――――――――――――――――――――――――――――――――
日々、人事・労務問題で頭を抱えているご担当者様に朗報。
クイックグループが開催するセミナー・イベント情報をご紹介。
興味、関心の高いセミナーがございましたら、今すぐお申込を!
■10/26(火)・11/18(木)・12/9(木)
17:00~19:00(19:00~20:00懇親会)
“現有体制のまま”
『営業力3倍、売上√3倍(1.7倍)』速攻型市場攻略セミナー
◇会場 株式会社クイック ATT新館3階セミナールーム
(東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館3階)
◇参加料 無料
※懇親会参加の場合、1500円/1名
◇対象 経営者の方、営業御責任者の方
※1社2名でご参加下さい
◇定員 10社(20名)
詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/documents/1026seminar.pdf
http://happy.919.jp/documents/1118seminar.pdf
http://happy.919.jp/documents/1209seminar.pdf
■10/7(木) 15:30~17:00(開場15:00)
『中国における人材の確保と管理の要点』
◇会場 株式会社クイック ATT新館3階セミナールーム
(東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館3階)
◇参加料 無料
◇対象 中国進出済み日本企業の海外事業担当者様以上
中国進出を検討中企業の人事担当者様以上
◇定員 20名(先着順、定員で締め切り)
詳細はこちら⇒
http://jinjibu.jp/GuestSmnrSearchTop.php?act=dtl&id=12127
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】編集部オススメの商品・サービスはこちら!
―――――――――――――――――――――――――――――――――
クイックグループが提供する人事労務、採用サポートツールをご紹介。
これから本格化する新卒採用活動、社会的関心の高いメンタルヘルス問題
などに頭を悩ませている人事ご担当者は、ぜひ一度お問い合わせを!
■採用マーケティングサーベイ「Entry9」
統計学、臨床心理学の視点からのアプローチにより、
会社説明会に参加した学生の志望意欲の高さや本音を浮き彫りに。
採用活動の的確な課題分析や方向性決定のための必須ツール!
詳細はこちら⇒
http://happy.919.jp/jingoto/service/recruit/entry9.php
■心の状態診断プログラム「Mind Checkup」
人事労務担当者としては、今や看過できない問題にまで発展しつつある
社員のメンタルヘルス問題。
どんな人材が、どんな環境で、どんな状態にあるかを構造化した上で
可視化することで、心の病の早期発見と適切な予防に繋げます。
詳細はこちら⇒http://happy.919.jp/jingoto/mcu/
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【メールの表示について】
このメールは等幅フォントを使用し、横幅全角35文字以上の設定で正しく
表示されるように作成しております。
また、本メールマガジンより生じる損害・トラブルにつきましては一切の
責任を負いません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
□発行元 株式会社クイック『世界の人事部』編集部
■URL http://919.jp
□情報提供・ご意見・お問い合わせ info-koho@919.jp
掲載された記事・情報を許可なく転載することを固く禁じます。
Copyright(C)2009 QUICK CO., LTD. All rights reserved
このメールマガジンは『まぐまぐ!』http://www.mag2.com/を
利用して発行しています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――