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2010.11.30
『世界の人事部』 Vol.19 【反日デモによる中国進出日系企業への影響とは?】
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       ― 中国・米国・日本の人事労務レポート ―
             『世界の人事部』
                       【Vol.19 2010.11.30】
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  発信元:http://919.jp

 こんにちは。『世界の人事部』編集部です。

 先月に続いて新卒採用に関する話題ですが、厚生労働、文部科学両省の調
 査によると、来春卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率は57.6%
 となり、今年度の就職戦線が2003年の「就職氷河期」以上に厳しい状況で
 あることが分かりました。

 こうした現状を受け、商社などの業界団体では2013年春入社予定の学生の
 選考開始時期を遅らせ、さらに大手就職サイトでも2013年3月卒業見込み
 の学生向け新卒採用サイトのオープンを従来よりも1ヶ月遅らせるという
 報道がありました。

 選考開始時期を遅らせることについては、「より優秀な人材を採用したい」
 と考える企業側としても大きな決断だったと思います。それだけに、この
 決断が他の業界、政府、そして大学・学生にはどのように響いたのか、
 産官学各方面における新卒採用に関する取り組みや動きに、今後も注目し
 ていきたいと思います。

 それでは、今月も情報満載でお届けしてまいります!
 ぜひ、最後までご覧下さい。

 □■CONTENTS□■―――――――――――――――――――――――――
 
 【1】 今月の人事労務ニュース

 【2】 現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。
     【連載:第19回】『世界の人事の現場から』

 【3】 人事・労務ご担当者必見。セミナー・イベント情報

 【4】 編集部オススメの商品・サービスはこちら!

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 【1】 今月の人事労務ニュース
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 中国、アメリカ、日本国内の人事、労務、採用、育成などに関する
 ニュースを見出し形式でご紹介。

 より詳しい情報が知りたい方は、下記サイトまでアクセス!

 ◇<中国>労働報によると、2011年の上海外資企業の昇給率は約9%に

 ◇<中国>中国新聞網によると、外国籍就業者の増加傾向を受け
      社会保険法における国民待遇を付与

 ◇<日本>株式会社アイ・キューが『日本の人事部』サイトにて
      第5回「HRカンファレンス」の開催レポートを公開中
      詳しくはこちら⇒http://jinjibu.jp/report/hrc05.php

 この他にも、中国の最新人事情報を随時更新中! 
 アクセスはこちらから⇒http://www.919myts.com.cn/topics/

 アメリカ国内の最新求人情報を随時更新中
 アクセスはこちらから⇒http://www.919usa.com/

 日本国内の最新人材業界ニュースを毎日更新中!
 アクセスはこちらから⇒http://jinjibu.jp/GuestNewsTop.php

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 【2】現地のことは現地に聞け!人事労務問題解決のポイントを紹介。  
       【連載:第19回】『世界の人事の現場から』
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 人事や人材に関するテーマは、日本人だけの会社でも難しい経営課題の
 一つです。それが日本から海外に赴任して会社や事務所を構えて、
 さらに現地の人材を採用して、育成、マネジメント…となると、
 その苦労は国内の比ではないと思われます。

 そこで『世界の人事部』では、毎回、実際に中国、アメリカで活躍中の
 人事・採用コンサルタントに人事労務などに関する質問をぶつけて、
 現地における人事・労務・採用課題解決のヒントを提供してまいります。
 
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 【第19回テーマ】
 「反日デモによる中国進出日系企業への影響とは?」
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 ◇編集部◇
  今回は、10月中旬に尖閣諸島の漁船衝突事故に端を発した、一連の反日
  デモの影響について取り上げます。

  リーマン・ショックの影響からようやく抜け出し、上海万博の成功で景
  気回復への明るい兆しが見え始めてきた直後の出来事だけに、今回の件
  が現地日系企業にとって痛手になるのではと思うのですが、実際のとこ
  ろ現地日系企業への影響はいかがでしょうか。
 
 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  日本での報道を直接見たわけではないのですが、現地で数多くの日系企
  業のスタッフの方々や現地スタッフと接している人間としての実感とし
  ては、一連のデモ騒動に対して過敏になっているのは本社(日本)サイ
  ドというケースが圧倒的に多い気がします。私がお付き合いしている現
  地日系企業各社では、デモ直後から今に至るまで、今回の件が理由で事
  業に大きな影響を被ったという話は聞いていません。

  今回の件について、実際にデモが発生し、その中で日系企業の店舗等が
  壊されたという事実は中国サイドとしても受け止めなければならないと
  思います。

  しかし理解していただきたいのは、こうした過激な行動のほとんどが、
  一部の人間によって引き起こされたものだということです。一般市民全
  員が同じ行動を取っているわけではありません。この傾向については、
  決して中国という国が特別なのではなく、日本でも、そしてアメリカで
  も同じなのではないかと思います。

  現地で頑張る日系企業の方々と接する人間としては、一部の情報だけが
  誇張された報道が繰り返し行われることによって日本側が態度を硬化さ
  せていくことで、中国国内ではまた新たな反発が生まれてしまう…
  という負のスパイラルをとても懸念しています。

 ◇編集部◇
  現地日系企業の中では日本からの駐在員と現地スタッフが一緒に働いて
  いる会社も多いと思いますが、今回の件によって職場の雰囲気がぎくし
  ゃくしたり、業務に支障を来たしたりというケースはあるのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  私も数多くの現地日系企業の方々とお話をさせていただいていますが、
  今回はもちろん、2005年の反日デモの際も、こうした政治問題が原因で
  現地スタッフが退職せざるを得ない状況になり、結果、業務に支障が出
  たという話は聞いたことがありません。

  日本側での報道や日本語で配信されているニュース等に感化された日本
  人側が過敏になっている方が多いのではないでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(アメリカ)◆
  今回の国民感情のもつれから生じたデモとは全く性質が違うものですが、
  アメリカでも年初に起こったトヨタのリコール問題について、アメリカ
  国内での批判を「ジャパンバッシング」や「反日ムード」と報道する
  ケースが日本ではあったようです。

  しかし、現地サイドの実感としては、批判や議論の焦点は「リコール問
  題を起こした企業の、安全に対する製造物責任者の問題と対応の遅さ」
  に絞られており、決して「ジャパンバッシング」と呼ばれるような代物
  ではなかったと感じています。仮にこの一連の問題が別の国の自動車
  メーカーが起こした問題であっても、同様の動きは起こったと思います。

  もちろん、日本の一企業が批判を受けているからと言って、他の現地日
  本人スタッフが肩身の狭い思いをすることはないということは中国サイ
  ドと同様です。

  何より、組織のグローバル化やダイバーシティ化が進んでいるアメリカ
  社会では、問題が発生しても、「事実」を客観視して解決策を考えるス
  タンスが既に浸透しているのかもしれませんね。実際、今回のリコール
  問題にしても、3月には早くも同社の新車販売台数は大きく回復しました。
  問題に対する具体的な対応策が示され、これが客観的に評価できれば、
  改めてチャンスを与えるという、アメリカ社会の良い例だと思います。

 ◇編集部◇
  とはいえ、今回のような国際問題によって職場の和が乱れるケースもゼ
  ロではないと思われます。こうした企業と、そうでない企業の違いは、
  どのようなところにあるのでしょうか。

 ◆人事コンサルタント(中国)◆
  もし、実際に業務に支障を来たしている企業があるのならば、恐らく、
  駐在されている日本人スタッフが、昨日まで一緒に頑張ってきた目の前
  の中国人スタッフを見ずに、日本での報道だけを鵜呑みにして、十把一
  絡げに「中国人」を判断した言動が見られる場合が多いのではではない
  かと思います

  人と人が一緒に仕事を進めるに当たって何よりも大切なことは、報道や
  イメージ、思い込みではなく、目の前の「事実」を見ることだと思いま
  す。同じ国の人たちが集まって事業を進めていく上でさえ重要なことで
  すから、ましてや言葉も違う国の人たちが一緒になって事業を展開し、
  ともに成長していく上では、その重要度も飛躍的に高まって当然です。

  現地スタッフを「中国人」ではなく、「孫さん」や「陳さん」、「張さ
  ん」という「一個人」として見る姿勢が、現地駐在スタッフはもちろん、
  現地管理者、さらには経営層の方々にまで浸透していれば、たとえ今後
  同じような問題が両国間で起きたとしても、それが原因で職場の和が乱
  れることや業務に支障を来たすこともないでしょうし、そうした取り組
  みが国境を越えた結束力のある職場・組織づくりにも繋がると思います。

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